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【おそ松さんR18】君の瞳にうつる色

第3章 脅し




突然突き飛ばされて、わたしは腰と背中を強打した。

いくら柔らかな布団の上とは言え、それはとても痛くて……


「いったぁ……」


うるりと涙がにじむ。


「ちょっと…おそ松くん、いきなり何す――んんッ」


抗議の声をあげかけた唇を、突然なにかに塞がれた。

それが、おそ松くんの唇であることを理解するのに、数秒かかった。


「ちょッ……!!」


わたしは、咄嗟におそ松くんを突き飛ばした。


頭が混乱して、上手く働かない。

なに……? わたし、おそ松くんにキスされたの……?

なんで……?


おそ松「……ははっ、ちゃん、混乱してる? なんでキスされたかわかんないって顔してる」

「……っ、意味がわからないよ! なんで突然こんなこと……!」

一松「……あー、まだわかんないのか」


それまで黙って見ていた一松くんが、小馬鹿にするように笑った。

そして、学ランのポケットに手を突っ込むと、

そこからハガキサイズの紙の束を取り出し、それをわたしの目の前にばらまいた。


「え……?」


わたしは、わけが分からないまま、ばらまかれた紙を拾い上げた。

そして、それに目を通した瞬間。


「な、なにこれ……?」


わたしは、自分の目を疑い、凍り付いた。

それは、すべて、わたしの写真だった。


教室で本を読んでいるわたし。

授業中、先生にあてられて困っているわたし。

カラ松くんと一緒に帰っているわたし。

屋上で、カラ松くんとお弁当を食べているわたし……


「なっ……なんなの? この写真……」


怖くなって、それを一松くんに投げ返す。

すると。


一松「……だから、あんたのことが好きだって言ってんの」


一松くんの唇が、愛の言葉を口にした。


けれども、そこには甘い響きはなく。

黒くドロドロとした、冷たい色が宿っていた。



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