第3章 脅し
「おそ松くん…! 一松くん…!」
おそ松「ちゃん、こんなとこで何してんの?」
一松「しかも、制服はだけてるし…」
ただならぬ様子の2人に、思わず後ずさる。
しかし、その直後。
おそ松くんの手が、わたしの腕をがっちりと掴みあげた。
「……ッ!!」
おそ松「変だと思ったんだよねえ。カラ松が、こんな昼間から布団敷いて昼寝してるなんて。しかも、制服のまんまで」
おそ松くんの声色は、どこか怒っているようで、でも楽しそうで……とにかく、いつものおそ松くんのものではなかった。
な、なに……?
怖いよ……
一松「……とりあえずさ、そこから出てきなよ」
と、一松くんが、ガムをくちゃくちゃと噛みながら言う。
「ま、待って。ちゃんと服を着るから……」
ここまで見られてしまったら、きっともう隠しようがないだろう。
服を着て、ここから出て、正直に2人に話そう。
カラ松くんとそういうことをしていたって。その途中で2人が帰ってきたから、とっさに押入れに隠れたって。
しかし、その瞬間、わたしの腕をつかんでいたおそ松くんの手に、力がこめられた。
そして、このまま、わたしは、押し入れの中から引きずり出された。
「ちょっ、痛いッ…!」
あまりにも強い力だったため、腕の関節が悲鳴をあげた。
けれども、そんなことお構いなしに、おそ松くんは、わたしを、床に敷かれた布団の上に突き飛ばした。