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【おそ松さんR18】君の瞳にうつる色

第2章 カラ松くんとわたし




……なんて意気込んだものの。

いざ授業が始まり教室が静まり返ると、どうしても気持ちは別なほうに行ってしまい、勉強どころではなくなってしまった。


さっき、カラ松くんとしたキスのこととか…

胸を触られたときの感覚とか…

カラ松くんの色っぽい顔とか…

それから、これからすることも…


『――じゃあ、、ここの問題を解いてみろ』

「えっ……?」


突然、先生にあてられて、わたしは我に返る。


どうしよう……ぜんぜん聞いてなかった。

今、教科書の何ページ? どこの問題?


あわあわと教科書をめくり、黒板に書かれたものと同じ問題を探す。

すると、そのとき。

すっと隣から1枚の紙切れが差し出された。


見ると、一松くんが、スナック菓子の袋を片手に、もぐもぐと口を動かしながらわたしを見ていた。


「え……?」

一松「……これ、答え」


わたしは、一松くんから紙切れを受け取る。

そこには、乱暴な字で、数字が書かれていた。

わたしは、それをそのまま読み上げる。


『正解だ。よく解けたな。応用問題なのに』


先生は、一松くんが紙をわたしに渡したことには気付いていない様子で、笑顔で褒めてくれた。


「ありがとう……てか、すごいね、一松くん。これ、暗算で解いたの?」


そっと小声でたずねると、一松くんは、「うん…」と抑揚のない声で呟くように言った。

やっぱり天才なのかも、このひと。


「今度、なにかお礼するね」

一松「別にいいのに…」

「だって、助けてもらっちゃったし。わたしにできることなら、なんでも言って」

一松「……ふーん、なんでもいいの?」


一松くんの唇が、三日月を描く。


「う、うん…いいよ?」


どうしたんだろう。何か欲しいものでも思い浮かんだのかな?

あまり高いものは買えないけど、いつも一松くんが食べているお菓子とかパンくらいなら、奢ってあげよう。



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