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いろはに鬼と ちりぬるを【鬼滅の刃】

第11章 鬼さん、こちら。✔



「──し、終了!」


 それから四半時足らず。
 アオイの声と共に鬼ごっこは終わった。


「…捕まえました」

「……」


 私の勝ちで。

 カナヲちゃんの服を掴んで言えば、またも可愛らしい目を丸くしてこっちを見てくる。
 その…鬼ごっこは嫌という程、不死川とやってきたから。
 主に逃げ回る方だったけど。それに比べれば恐怖なんて全くない穏やかな鬼ごっこ。
 寧ろ楽しんでやってしまった…美少女を追いかけるって楽しい。


「凄いです蛍さん!」

「カナヲさんに勝てる継子なんて、見たことないです!」

「流石煉獄さまの継子ですね!」


 わぁわぁと拍手混じりに喜び祝ってくれるすみちゃん達はあり難いけど、その、いいのかな…こんなにもあっさり勝ってしまって。
 するとなほちゃんの言葉にぴくりと、無表情ながらカナヲちゃんの顔が微かに反応を示した。
 …あれ、これって…?


「よぉし次はオレだ! 鬼! 勝負しろォ!」

「え? わっちょっと伊之助…!」


 急に腕を引っ張られて、カナヲちゃんから引き離される。
 被った猪の鼻先から荒い息を吐き出しながら、私を引っ張っているのは伊之助。

 だからなんで私相手だとやる気なの!?
 そして鬼呼びやめ!


「だから私は…っ」

「オレが勝ったらお前はオレの子分だからな!? いいか!」

「なん」

「鬼の子分を二人もつけりゃあオレの実力を知らしめられる! アハハハハ!!」


 話聞かないな!
 そして二人目って。
 一人目はもしかして禰豆子?
 禰豆子を子分にしてるの?
 …それはちょっと納得いかない。


「なら私からも条件!」

「んぁ?」


 伊之助の太い腕を引っ張り返して、勇んで進んでいた足を止めさせる。


「私が勝ったら私が伊之助の親分ね。いい?」

「ハッ、上等だ」


 あ。
 更にやる気を後押しさせたみたいだ。

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