第10章 世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る✔
「ごめんね。中途半端になって」
「いや、それはいいけど…煉獄さん」
「なんだ?」
「その、柱合会議は…一隊士は見学できたり、しないんですか?」
「うむ! 原則、柱とお館様の間でのみ行われる会議だ。その心意気は良いことだが了承はできない!」
「…そっスか…」
あ、玄弥くんしょんぼりしてる。
そっか…柱合会議なら柱が集まる。
其処でなら、兄である不死川実弥に会えるから。
「玄弥くん」
「?」
「何か伝えたいことがあれば、私から伝えておこうか?」
「え?」
「聞いてくれるかわからないけど。でも伝言役くらいなら…会議の後にでも伝えられると思うし」
それくらいの時間なら割けるだろう。
そういう意味で杏寿郎に目を向ければ、いつものむんっと威勢の良い頷きを…を?
「む?」
あれ。頸を傾げてる。
思いっきり真横に。
なんで?
「何を言っている? 蛍少女」
「え…提案を述べただけですが…」
「先にも言ったが、柱合会議は柱とお館様との間だけで行われるものだ。鬼である蛍少女は連れて行けないぞ」
「えっ」
お館様とあんな約束をしたから、てっきり会議に呼ばれるものだと思ってた。
微塵もそこに疑いなんてなかったから驚いた。
「わ、私は呼ばれてないの?」
「? ああ」
「本当にっ?」
「ああ!」
「本当の本当に!?」
「本当の本当だとも!!!」
ええええええ!?!!!