第10章 世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る✔
父さんと母さんは
累と同じところに行くよ
背に感じていた、温かい手
あの鬼狩りのものだと思っていたそれは
違ったんだ
ごめんね
ずっと独りぼっちにさせて
顔を上げる
蹲るぼくに寄り添うように、其処にいてくれたのは
──累
ずっとずっと、捜していた
「と…さ…かあ、さん」
ずっとずっと、失くしたと思っていた
「ごめ、なさ…ごめん、なさい…っ」
だって、ぼくが、断ち切ったから
「ぜんぶ、ぼくが悪かったよぅ…! ごめんなさい…!!」
手を伸ばす
触れられる
飛び付いた体は、受け止めてくれた
抱きしめた体は、抱きしめ返してくれた
「ごめんなさい! ごめんなさい…!!」
ごめんなさい
全部、受けとめるから
父さんと母さんは何も悪くない
全部、ぼくの所為だから
だから、もう、どこにもいかないで
ぼくの
ゆいいつ の