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いろはに鬼と ちりぬるを【鬼滅の刃】
第10章 世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る✔
滝の手前。
其処に蹲っている、水浸しの白装束。
「蛍少女! 君は問題ないか!?」
「…っ…」
呼ばれた頭が、ふらりと覚束無く上がる。
その顔を見て驚いた。
赤だ。
オレが水底で垣間見た二つの赤い玉と同じ目を、それはしていた。
縦に割れた眼孔。
蒼白の顔にはっきりと差す血色。
嫌な気配がなんだったのか、そこで全て悟った。
あいつは。
あれは。
「鬼…!」
オレの家族を喰って成り代わった、化け物と同じだ。
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