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いろはに鬼と ちりぬるを【鬼滅の刃】

第9章 柱たちと年末年始✔


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「南無三」

「っ…だから、言ったんですよ…目に見えてるって」


「だってよ、煉獄」

「…む」


 二戦目 悲鳴嶼 行冥 VS 胡蝶 しのぶ
 圧倒的な力の差により、行冥の一打撃押し勝ち。


「ッらァ!!」

「わあっ」


「うわ。不死川の奴、時透を投げ飛ばしやがったぞ。あれ反則じゃね?」

「足場から一寸も動いていない。よって問題無し!」

「…なんでもアリかよ」


 三戦目 不死川 実弥 VS 時透 無一郎
 圧倒的な殺気の差により、実弥の気迫押し勝ち。


「ッく、ぐ…!」

「…凪」

「っ!?」


「あ。(今呼吸の型使わなかったかアイツ)」

「む。(日輪刀は持っていない。よって問題無し)」


 四戦目 伊黒 小芭内 VS 冨岡 義勇
 圧倒的な表情の差により、義勇の凪払い勝ち。


「皆、楽しそうねっ」

「というか、ほんきぐあいがすごい…」

「だってご褒美があるんだもの」


 次々と勝敗が決していく中、ちょこんと通路の隅で座って見守っていた蛍と蜜璃の頭上にふっと影が落ちてきた。


「さァて。次は俺とお前だな」


 見上げれば、挑発的な笑みで誘う壁のような巨体が一つ。


「とうとう蛍ちゃんの番ね。頑張って!」


 蜜璃の声援に押されながら、蛍もようやく重い腰を上げた。


「五戦目は宇髄天元 対 彩千代蛍! 両者円の中へ!」

「…おい蛍」

「?」

「お前、いつまでその姿でいんだよ」

「そのすがたって?」

「しらばっくれるんじゃねぇっての。餓鬼の姿で俺に勝つつもりか?」


 ぬっと立ちはだかる天元を前にしているのは、五歳にも満たない幼子だ。
 着ている袴もぶかぶかで引き摺っている始末。
 並び合うも勝ち目がある構図には到底見えない。


「もとのすがたでいないといけないなんて、りゆうはないし。それはじゆうでしょ」

「そうだな! 勝負法に姿形の指定はない!」

「きょうじゅろうもああいってるし」

「…後で後悔しても知らねぇからな」


 互いに円の中で向き合う。
 近い距離に、頸を大きく曲げて天元を見上げる。
 まるで山中での組手の訓練を思い起こさせるようだった。

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