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いろはに鬼と ちりぬるを【鬼滅の刃】
第31章 煉獄とゐふ者
「それに儂も一つ、煉獄君に話したいことができたしのう」
「なんですか?」
朝日に照らされて徐々に明るさを取り戻しつつある町並み。
其処には黒々とした枝で天を仰ぐ吸血木は一本も見当たらない。
本来の姿を取り戻した静かな町並みの中で目立つ、きらきらと朝日に照らされた焔色の髪を揺らす男。
「なぁに」
その煌めきに目を細めるようにして、目玉親父はじっと男の姿を見つめていた。
「どうということはない、昔話じゃ」
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