• テキストサイズ

いろはに鬼と ちりぬるを【鬼滅の刃】

第7章 柱《参》✔



 義勇の手で口を塞がれながらも、蛍の目にも見えたもの。


「蛍、ちゃんが…ぉ、鬼…?」

「嘘だろ、おい…」

「そんな…」


 覆面越しにでも伝わってくる、前田、後藤、菊池の驚愕の表情。
 その目はただ蛍だけに向けられていた。


(──あ)


 鬼と成ってからは、すぐに義勇と出会い、此処鬼殺隊へと訪れた。
 故に蛍は一般人と鬼として関わったことがほとんどない。
 あるとすれば、自ら喰い散らかした己と姉の命を奪った男達だけ。

 あの男達と隠達は同じではない。
 それでもあの時死んだはずの蛍を前にして、驚愕と疑心と恐怖の入り交じる瞳をしていた男達と、その瞳が重なったように思えた。

 そうして、悟る。


(もう、だめだ)


 今更何を弁解したところで、彼らは変わってしまったということを。
















/ 3418ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp