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いろはに鬼と ちりぬるを【鬼滅の刃】
第25章 灰色万華鏡✔
「父上に、夕餉を…」
忙しくしていれば、腹の底に何かが溜っていくような気配は薄れる。
お玉を手に汁物の火加減を見ながら、ちらりと幼い瞳が台所を見渡した。
父の手により、荒されてしまった台所。
二人の柱が手伝ってくれたお陰で整理はすぐについた。
割れた茶器類を処分して、多少物が減ってしまったからか。
(…台所、こんなに広かったっけ…)
見えない空白のようなものに、物侘(ものわび)しさを感じた。
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