第22章 花いちもんめ✔
(よかった…退いてくれて)
蛍の背後にある人間の影に、興味を示していた童磨のこと。
もっと食い下がるかと思いきや、拍子抜けする程にあっさりと去っていった。
ほっと安堵の息をつきながら、止まっていた着替えをのろのろと再開する。
ぴたりと不意に動きを止めると、蛍は己の下腹部へと視線を落とした。
好き勝手に放たれた童磨の欲望は、まだ体内に残っている。
内側から掻き乱されるような熱はもう感じないが、消えた訳ではない。
「…処理、しなきゃ…」
そんなものを留めたまま戻ることはできないと、力無く俯いた。