第6章 柱たちとお泊まり会✔
「それで終わり、なの?」
「む…?」
きょとんと頸を傾げる蜜璃ちゃんと同じく、杏寿郎も頸を傾げている。
「終わりだ」
「この話のオチは途中にあるからですよ」
「え? そうなのっ?」
胡蝶しのぶは話の真髄がわかったらしい。
でも私は蜜璃ちゃんと同じく、よくわからない。
「恐ろしいのは内なる狂気ではなく、身内の狂気ということか」
「そういうことですね」
ぽつりと呟く冨岡義勇も、話の真髄が見えてたみたいだけど…駄目だ、やっぱり意味がわからない。
「ねぇねぇ伊黒さん、その話の本当の意味を教えてくれる?」
「知らない方がいいこともある」
蜜璃ちゃんに袖を引かれても、伊黒小芭内は頸を縦に振らなかった。
そっと目を逸らすようにして、蜜璃ちゃんから視線を外す。
「それに、甘露寺を余り怖がらせたくない」
「えっ」
ぼそりと告げられた言葉に、ぽわんっと蜜璃ちゃんの顔が紅色に染まった。
「怖がらせたくないって。それじゃあ怪談やってる意味ねぇだろ…」
呆れた天元の呟きは、確かに一理あるけど…
「……」
「…なんだ」
意味を理解している冨岡義勇を見上げれば、その視線が下がる。
教えて貰おうかとも一瞬思ったけど、頸を横に振ってやめた。
伊黒小芭内の言う通り、知らない方がいいこともあるかもしれないし…。
訊くのは、やめておこう。
本当に怖いオチだったら、嫌だから。