第6章 柱たちとお泊まり会✔
「つーか都合良い奴なら一人いるだろ。あ、違った一鬼だわ」
「……え」
中々打開策を見つけられないでいると、あっさりとそんなことを天元が告げるものだから反応に遅れてしまった。
一鬼って。
それ、私のこと、では…。
思わず天元を見れば、さらりと告げられる。
「お前チビになれるだろ」
……。
「ナンノコトダカ」
「しらばっくれてんじゃねーよちゃんと見てんだよコラ」
言われるまですっかり忘れてた…というかなんでこんな時にそんなことに頭が回るのか。
筋肉盛男なのに頭も良い忍者なんて嫌いだ。
「蛍ちゃん小さくなれるの?」
「確かに鬼は体を自由に変化させられると聞きますが…」
「俺を組手で出し抜いたのも、その能力だしな。見せてみろ」
「ホント!? 見てみたいなぁ小さな蛍ちゃん!」
「興味深いですね」
どうしよう女性陣が興味を持ってしまった。
蜜璃ちゃんの期待に満ちた笑顔はまだいいけれど、胡蝶しのぶの目が怖い。
それ観察時の目だから。怖いから。
「それは俺も興味深いな! 見てみたいぞ!」
それでも杏寿郎にまでそんなことを言われると、到底断れる雰囲気じゃなくなってしまった。
ふふんと笑う天元をジト目で見た後、仕方ないと肩を下げる。
周りの視線を感じつつ身動きせずに座り込む。
別に盛大な心構えも、難しい詠唱なんかも必要ない。
一度できてしまえば、その姿を想像するだけで簡単に可能となった。
するすると自分の目線が下がっていく。
なるべく小さい方が邪魔にならないだろうと、齢三歳くらいの姿で変動を止める。
比率して大きくなった柱達の背を見上げ…うわ。
なんだか、凄く、凝視されてる感じがするんですが。
「ぅ…っわぁああ!! 可愛いぃ〜!!!」
沈黙を突き破るようにして歓声を上げたのは蜜璃ちゃんだった。
かと思えば、その腕に抱き付くようにして囚われる。
う、うわっ
「ちっちゃい! お人形さんみたい! 可愛い蛍ちゃんッ!!」
「ぅぷっ」
道場に飛び込んできた時と同じ。
というかそれ以上に、巨大化した蜜璃ちゃんの胸に顔が埋まって息が…ッ