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いろはに鬼と ちりぬるを【鬼滅の刃】

第6章 柱たちとお泊まり会✔



「なら最初からそんなもの着なければ良いだろう。言い訳がましい男だ」

「あの人なりの歩み寄りですよ、きっと。いつもずれてる可哀想な人なんですけどね」


 蛇男と蝶女の言葉が凄い。
 刃物のようにグサグサあの人を刺しにいってる。
 絶対にトドメを刺しにいってる。

 あれですか、此処は子供の合宿所ですか。
 一人だけ仲間外れにする弱い者苛めですか。
 いやあの人弱くないけど。寧ろ強いけど。
 でも人との接点の結び方は果てしなく弱い気がする。


「ぁ、あのっ」


 あまりにその空気が居心地悪くて、ついと言うか。気付けば声を上げてしまっていた。

 あんなに冨岡義勇に囃(はや)し立ててた周りの目が、途端にこっちに向く。
 う…視線が痛い。


「布団、なら…私の譲るから、それでいいんじゃ、ない…ですか…」


 最後の方は語尾も小さくなってしまった。
 だって余りにも周りの視線が居心地悪くて。
 そんなに凝視しないで下さい。


「では彩千代少女はどこで寝る?」

「私は羽織れるものを貸して貰えれば、そこら辺で適当に」

「駄目だ。睡眠は適所で行ってこそ、きちんと補えるものだ。よって布団で寝るのは鉄則!」


 それは正論かもしれないけど、じゃあどうするの。
 未だに突っ立っているあの人は。


「数を把握していなかった俺の失態だ。すまない冨岡!」

「別に俺は」

「ということで俺と共に寝よう!」


 ……ん?
 今なんて…ん?

 あ、杏寿郎が冨岡義勇に両腕を広げてる。
 来い!ってキラッキラした目で誘ってる。
 彼、なんだか固まってるようだけど。


「男同士で添い寝とかキモいことやめろよ…」

「体格的にも男二人で布団一組はきついだろう。あとむさ苦しい」


 あ。
 吐き気を催している天元とドン引きしてる伊黒小芭内に、両手を広げたまま今度は杏寿郎が固まった。

 そこまで言わなくても…確かに、その、あんまり画的に好まれないものかもしれないけど…一部の人には好まれるかもげふん。
 なんでもないです。


「む、むぅ…ならば小柄な胡蝶となら」

「何言ってるんですか鬼と間違えて両目潰してしまってもいいんですか?」


 怖っ。
 本当にやりそうだから尚怖いこの人。

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