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いろはに鬼と ちりぬるを【鬼滅の刃】

第6章 柱たちとお泊まり会✔



「…お邪魔します」

「って何地味に布団引き離してんだ」

「ぅぶッ」


 せめてもの抵抗にと、ぴったりくっついてる布団を後方にずり下げれば即座に背後から蹴り飛ばされた。
 強くはなかったけど、確実に布団に顔面から突っ伏す程度に。
 見なくてもわかる、あの筋肉忍者だ。

 布団に突っ込む私の横で、ぼふりと誰かが座る音。


「ならば俺はここにしよう!」


 顔を上げれば、私の左隣の布団に腰を下ろす杏寿郎が見えた。


「なら私も、こちらに」


 反対側の右隣の布団にちょこんと座り込んだのは胡蝶しのぶ。


「えっ早い者勝ちなの!? じゃあ私は蛍ちゃんの顔がよく見えるここ!」


 ばふんっと私の向かいの布団に飛び込んだのは蜜璃ちゃん。


「……」


 無言で即座に蜜璃ちゃんの右隣を陣取ったのは伊黒小芭内。


「じゃあ残ってんのはここか…って、」


 蜜璃ちゃんの左隣の布団に座ったのは天元。
 となると。


「「「……」」」


 皆の目線がただ一人、微動だにしなかった彼に向く。
 微動だにしないというか、出遅れたというか。
 布団に座っていないのは冨岡義勇一人だけだった。

 …え、布団もうないけど。


「ぶッは! お前余ってんのかよ! オイ煉獄わざとか!? 布団足りてねぇぞ!」

「よもや! 一人分足りなかったとは!」

「えっそうなの!? 冨岡さんだけないの!?」


 腹を抱えて笑う天元に威勢よく驚く杏寿郎に大声で慌てる蜜璃ちゃんが、途端にその場を賑やかにさせる。

 わあ…本当に足りなかったなんて。
 杏寿郎がわざと一組減らす訳ないし、本当の本当に足りなかったんだ。


「駄目ですよ宇髄さん、そんなに笑っては。いくら冨岡さんがそういう星の下に生まれた運命だからって、駄目ですよ笑っては」


 うわあ…胡蝶しのぶのトドメが半端ない。
 半端なくトドメを刺そうとしてる半端ない笑顔で。

 そして冨岡義勇の反応がないから余計に怖い。
 え、何その無表情。なんで微動だにしないの。
 いきなり怒ったりしないよね?


「俺は最初から参加するとは言ってない」


 ああ…そういうこと言うと益々疎外感が…というかなんだか除け者にされてる感が…!

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