第6章 柱たちとお泊まり会✔
蜜璃ちゃんや胡蝶しのぶ達女性陣は乗り気みたいだけど、伊黒小芭内と冨岡義勇は冷めた反応。
それでも蜜璃ちゃんに蛇男が付き添うのは予想内のことで、それでいてあの人は──
「あれ? まさか帰るんですか? またぼっちになるつもりですか? それだから皆に嫌われるんですよー」
「…俺は嫌われていない」
にこにこと優しい笑顔で容赦ない言葉を浴びせる胡蝶しのぶに、静かながらも反論している。
冨岡義勇がこの場に残っているのは十中八九、彼女が理由なんだろうな。
凄いなぁ…あんなに私の前じゃ無口なのに、胡蝶しのぶの前では子供みたいな反論をしてる。
あんな感じに話せば会話が成り立つのかな…いやでも私があんなこと言おうものなら、即座に斬られそうな気がする。無理だ。
「この場に集いし者達よ! 今宵は彩千代少女の提案した休息稽古に賛同したことに礼を言う!」
あ、やっぱり稽古なんだこれ。
というかそういう言い方されると、私が提案したみたいだからやめて下さい。
無理矢理稽古に結び付けたのは杏寿郎だからね。
私は乗り気じゃありません。
「今回の稽古内容は静と動の呼吸の強化だ! 鬼のいる空間でどれだけ己の精神統一ができるか、我々にとってもよい訓練となろう!」
わぁ…なんだか杏寿郎が言うと、凄いそれっぽい。
凄く為になる訓練っぽい。
でも私、思いっきりダシにされてますね。
此処へ来てから、誰かと就寝を共にしたことなんて当然一度もない。
なのに急にこんな大人数で寝泊まりしましょう、だなんて。
やっぱり私は乗り気じゃない。
というかぶっちゃけ嫌だ。
だって周りは全員柱なんだから。
こんな鬼狩りを生業としている実力者達に囲まれて寝るなんて、寝首を狩られそうで怖い。
特に蛇男と蝶女辺りに。
「勿論、彩千代少女にとっての訓練が第一だ。ということで、君が寝る場所はここだ」
「……え。」
そこ、ど真ん中じゃ…いやいやいや嫌だ。
「私は端っこでい」
「ここだ!」
そんな大声で言わないで。
キラッキラした目で見てこないで。
全力で君の為!っていう空気を出されるとなんというかもう皆もこっち見てるしああはいはいわかりましたよ!