第6章 柱たちとお泊まり会✔
「そういうことだ。確実に昨日の成果は彩千代少女の身になっているはず。柱相手に渡り合った。それは誇るべきことだ」
「そう…かな。ありが」
「蛍ちゃあぁああん!!!」
「もぎゅっ」
カチンとくる天元に比べ、杏寿郎の言葉はすとんと胸に届く。
その言葉が照れ臭いけど嬉しくて、頭を掻きながら頷き返…そうとしたら大きな大福二つに顔を挟まれた。
「よかったぁあ! 手足がくっついてる! 元の蛍ちゃんだぁあ!」
違う、大福のように柔らかな二つの乳房に挟まれたんだ。
道場に飛び込んできた蜜璃ちゃんの突然の抱擁によって。
「む、むぐっ」
「聞いたよー! 宇髄さん相手に互角に戦ったんだって! 凄いけど無茶したらダメだからァ!!」
「いや互角には戦ってねぇよ。派手に俺の方が上手だったわ」
凄い。大きな乳房の圧が凄い。
柔らかい。気持ちいい。
同時に息苦しくて色んな意味で天国に逝きそうになる。
喚く蜜璃ちゃんの腕をどうにか叩いて解放を求める。
その意思表示が届いたのか、唐突に埋もれていた胸から引き離れた。
「ぷはっ! み、蜜璃ちゃ」
「裸体を見るだけじゃ飽き足らず手を出すとは余程斬られたいのか斬られたいんだな」
違った意思表示が届いたんじゃなかった。
蜜璃ちゃんの横によくいる守護蛇が今回も陣取っていたからだった。
守護蛇もとい伊黒小芭内。
その男によって引き離されたんだろう、目の前には蜜璃ちゃんじゃなく左右色の違う目が至近距離にあった。
殺気立ったギョロ目が怖い!
「伊黒さんダメよ! 蛍ちゃんは怪我が治ったばかりなんだからっ」
それ健康体ならいいってことなのかな。
流石に嫉妬で男に斬られるのはごめんです。
「それに宇髄さんと互角に渡り合ったんだから、認めてあげても…」
「共に爆ぜ飛ばすくらいのことができなければ俺は認めない。何故しくじった」
「だからお前はどっちの味方だっての。そして渡り合ってねぇからな俺の方が上手だからな!」
外野の声が時々煩いけど、どうやら蜜璃ちゃんも蛇男も実践の内容は把握しているらしい。
それで此処へ来てくれたってことは、純粋に体の心配をしてくれたのかな…優しいなぁ。