• テキストサイズ

いろはに鬼と ちりぬるを【鬼滅の刃】

第17章 初任務《弐》



 そこまで鬼にとって身近な存在でいながら、何故男は襲われないのか。


「(まさか…美丈夫じゃないから?)…はははまさか」

「? 何か?」

「いえ何も。貴方は悪くありません。その鬼に会ったらとりあえず一発殴っておきますね」

「は、はい?」


 握り拳を掲げにっこりと笑う蛍の声は、笑っていない。


「一先ず、此処を下りましょう。麓には私の仲間がいますし。貴方の話を仲間にも詳しく聞かせて下さい」

「そういえば、きさつ、たい…やら、なんとか」

「はい。鬼を滅する為に組する組織のことです」

「貴女もその一員やったんですね」

「一員というか…まぁ」


 曖昧に笑いながら、蛍は階段から腰を上げる。
 番傘を手にすれば、不思議そうに男は頸を傾げた。


「何故、傘を?」

「目印です。鬼に見つかり易くする為の」

「成程」

「それも必要なくなりましたけど」


 月夜に浮かぶ、真っ赤な番傘。
 それを閉じると、蛍は当然の如く頸を横に振った。


「貴方を危険な目には合わせられませんから」












/ 3467ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp