• テキストサイズ

いろはに鬼と ちりぬるを【鬼滅の刃】

第17章 初任務《弐》



「では先に藤の家へ向かおう。邪魔な荷物は一時的に預かってもらえば問題ない」

「邪魔だってわかってるんだね。ならなんで持ってきたの?」

「わははは!」

「あっまた! 笑って誤魔化す!」

「さあ行くぞ! この[[rb:都 > みやこ]]は広い! 道に迷わぬよう!」

「都って──」


 大股で歩き出した杏寿郎を、蛍もまた追う。
 そういえば目的地は知らされていなかったと、駅を出た先の光景に目を向けた。

 列車での一夜は明け、明るい太陽が隅々まで照らしている。
 何処までも広がる大地に、並ぶ家々。
 整理された石畳の道もあれば、朱色に塗られた風情ある建物も目につく。
 遠目に見えるは、高く連なる五重塔(ごじゅうのとう)。


「此処って…」


 実際に目にしたことはない。
 それでも有名なその都のことは、柚霧として働いていた店に来る男達の話伝に知っていた。

 思わず足を止める。
 まじまじと目の前の光景を見つめる蛍に、振り返った杏寿郎は爽快に、また一つ笑った。


「京の都だ!」











/ 3623ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp