第16章 初任務《壱》
「きょうじゅろう、と、いっしょ」
へらりと砕けて笑う蛍に、杏寿郎の口角にも笑みが浮く。
「君という人は…っ」
「あっん…!」
しかしそこには爛々と欲に光る瞳を持った雄がいた。
合図もなしに揺さぶられる体に、蛍の頸が仰け反る。
激しい律動ではない。
それでも幼い体にとっては大きな衝撃だった。
「んぅ…!」
「少しだけ我慢してくれ…っ」
「ぅう…ッん! ふく…ッ!」
咽び出る嬌声は、大きな手で塞がれる。
何度も腰を揺さぶられる度に、蜜壺の最奥へと触れる熱。
ちかちかと視界の前で火花が散るような快楽に、強制的に体が昇りつめる。
列車の揺れには収まらない、びくびくと震える蛍の体を掻き抱く。
いつも以上に強い締め付けに眉間に皺を寄せ、杏寿郎は少女を貪り続けた。
壊してしまわぬように優しく、絶頂の波を止めぬように激しく。
「く、ぅ…ッ」
「ッ! んく…ッ」
いつもならなけなしの理性を搔き集めて、少しでも腕の中で快楽に溺れる蛍を視続けようとしていた。
しかし今は目の前の少女から与えられる快楽に素直に従うことにした。
生理的なものなのか、涙を浮かべ全身を震わせる。
それでも懸命に全てを受け止めようとする蛍と、ただただ共にこの波に呑まれていたくて。
「はぁッ…蛍…ッ」
「ん、ん! ふ…!」
快楽に染まると同時に溢れ出る想いで呼ぶ。
体を震わせながらもその声は届いていたのか、小さな手が縋るように杏寿郎の隊服を掴む。
涙で濡れた赤い瞳と、視線が重なった。
「く…ッ!」
「ッ──!」
どくりと自身の熱が暴発する。
柔らかに開いた蜜壺の更に奥。子宮の中へと注ぎ込むように、腰を押し付け震わせた。
幼い体を張る蛍もまた、同じ高みに押し上げられているのだろう。
止まる律動に、やがてその体もくたりと乱れた衣類の中に落ちる。
「っは…ほたる…」
口を塞いでいた手を退く。
頬を滑る涙を優しく指先で拭いながら、薄く開いた唇に口付けた。
そこに反応はなかったが、朧気に空を見上げていた瞳が力無く杏寿郎を捉えた。