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いろはに鬼と ちりぬるを【鬼滅の刃】

第16章 初任務《壱》



「ぅ…余り煽ると、本当に止まらなくなるぞ…」


 つつ、と指先が脈打つ裏筋を撫で上げる。
 眉間に皺を寄せ熱い吐息混じりに呟く杏寿郎に、蛍は臆することもなく笑った。


「しってる」


 たった一言。
 そこにほんのり照れの残る笑顔が添えられるだけで十分だった。
 大きな掌が、包むように蛍の頬に添えられる。


「痛くはしない。約束する」


 約束を結び付けるかのように、唇が優しく触れ合う。
 頬を包む手に己の手を添えると、蛍は微笑んだ。


「いたくたってへいき。きょうじゅろうが、くれるものなら」

「…蛍」


 いつの間にか、杏寿郎の眉間に刻んでいた皺は消えていた。
 少しだけ眉尻を下げると、困窮の表情で笑う。


「(俺が甘えさせて貰っているようだ)…これではどちらが子供か、わからないな」

「ん、そう…?」

「ああ。いつもどんな形であれ、蛍は俺を受け入れてくれるだろう」

「ふ…きょじゅろ、だって」


 啄むような口付けが、鼻や頸や顎をくすぐる。
 軽く身を捩る蛍に愛おしげな瞳を向けたまま、応えの代わりに杏寿郎は深く口付けを交した。
 ゆっくりと味わうように、丹念に小さな口内を犯す。


「ん、ふ…ぅむっ」


 心地良く与えられる接吻の快感に、とろりと蛍の瞳が蕩けていた最中だった。
 びくりと四肢が唐突に固まる。
 太く硬い陰茎が、蛍の秘部の入口を浅く覗いていた。


「ふ、ん、ん…っ」


 いつにも増して大きな質量が、蛍の中を押し広げゆっくりと挿入ってくる。
 隙間なく広げられる蜜口に、痛みはなくとも強い圧迫感はあった。

 ふぅふぅと短い息継ぎの中で耐える蛍に、杏寿郎の舌が殊更優しく絡まる。
 ようやく半分程腰を進ませたところで、こつりと当たる蜜壺の最奥に、杏寿郎は唾液を繋ぐ唇を離した。


「やはり、狭いな…」

「っは…ぁ、ぅ…」

「大丈夫か? 蛍。きつくないか」

「ん…だいじょ、ぶ…すこし、くるし…けど」


 全集中にも類似した呼吸で、ふぅ、と息を落ち着かせる。
 下腹部に片手を添えると、蛍は口角を緩ませた。


「ひとつに、なれたから…そっちのほうが、うれしくて…きもち、いい」

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