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いろはに鬼と ちりぬるを【鬼滅の刃】

第16章 初任務《壱》



 微かに滲む首筋の汗を舌で舐め取り、幾つも口付けを落とす。
 時折強く吸い付けば、赤い花弁が白い肌に散る。
 まるで己のものだと主張しているような証に、つい杏寿郎の口角も上がった。
 細い肩の線を辿るように口付けて、薄い鎖骨の皮膚に花弁を散らして、赤く栄える耳に甘く噛み付く。


「は、ぁ…ッも、」


 甘くも感じる子供特有の高い体温を実感していれば、その声も甘く響いているのに気付いた。
 ようやく顔を離して見れば、幼い顔には似合わぬ蕩けた表情を蛍は浮かべていた。

 深い口付けの一つでも、した訳でもないのに。
 幼くも熱を帯びる赤い瞳に、杏寿郎の背中をぞくりと何かが駆け上がる。


「ほんと、ふざけすぎだって…っ?」

「ふざけてるつもりはないが」


 抵抗しようと押し返してくる手首を掴み取ると、小さな指に舌を這わす。
 鋭い爪を持つが故か、荒い抵抗はしてこない。
 それをいいことに丁寧に指の隙間も舐め上げ口に含めば、ぷるぷると体を震わせて蛍の顔が真っ赤に染まった。

 またも背筋を駆け上がる。
 ぞくりぞくりと、快楽に似た何かが。


「こ、これじゃ、やすめないでしょ…っ」

「蛍が添い寝をしてくれれば、心身共に癒されると言ったぞ」

「これはそいねじゃな…ん、ちょ、」

「そうだな。幼子は、こんなことはしないものだ」

「ぁ…っ?」


 体に合っていない緩んだ袴姿では、呆気なくその手の侵入を許してしまう。
 膨らみのない胸を包む掌の熱に、蛍の目が見開いた。


「ま、まってほんとに…っぁ、んッ」

「幼子は、そんな顔もしないものだ」

「ちが…っこれはきょうじゅろが…ッ」

「そうだ。俺が触れるから感じるのだろう? 快楽など知らないはずの幼い体でも」


 熟した蛍の体を抱いた時のように、幼い胸を優しく弄る。
 胸の突起を摘み擦り上げれば、感度はあるのか。ぷくりと主張する桜のような芽に、杏寿郎の瞳に灯火が宿った。

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