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いろはに鬼と ちりぬるを【鬼滅の刃】

第15章 情炎 あわひ 恋蛍✔



 共に一つになり静かにその余韻に浸る。
 肌で触れ合う体温も、俺自身で感じる体温も。
 じんわりと蛍と繋がっていることを感じていられるこの瞬間も好きな時間だ。


「蛍…そろそろ、いいか?」


 しかしこうも直接的に感じていれば理性にも限界がくる。
 背中を撫でていた手を止めて問えば、頷く小さな頭。
 ん、と蛍特有の控えめな返事を耳元で確認して、再び腰に手を添えた。

 最初はゆっくりと慣らしていくように。


「ぁっん…あッ」


 下から揺さぶるように埋めた魔羅で突き上げれば、その度に揺れる体から漏れる喘ぎ声。
 否定はない。感じてくれている様に、徐々に動きを速めていく。

 今度は蛍の善いところを探るように。



 蛍は恐らく生娘ではないと思う。

 宇髄に言われたからではない。
 何度もその体を抱いて、俺なりに導き出した結果だ。

 羞恥は残しつつも、俺が強請れば嫌がりはしないし、体を重ねる際は自然と抱き易い体位を取ってくれる。
 偶々だと言われればそこまでだが、何より蛍の艶麗な姿は、今まで見てきたどの女性よりも強い色香を持っていたからだ。

 特に何をしている訳でもない、きちんと着物を着た姿であっても、体を重ねる直後となるとがらりと変わる。
 普段から際どい身形をしている甘露寺を前にしても、ここまで動悸が乱れることはないというのに。

 好いた相手だからということもあるかもしれないが、理屈ではない何かが俺の鼓動を打ち鳴らす。
 濡れた瞳を流す仕草、嬌声の合間に零れ落ちる吐息や、恥ずかしげに隠しながらもそろりと晒してくる白い素肌。
 そして感じてくれながらも、時に耐えるように俺越しの何かを見て身を硬くする一瞬。

 俺の知らない時を過ごした蛍の年月は遥かに長い。
 そこには俺の想像もつかない生き方をした、蛍の道があるんだろう。


「ふッぁっきょ、じゅろ…ッ」

「…っ」

「それ、きもち、い…ッあッ」


 だからこそ証を刻み付けたくなる。
 俺の色に染めて、染め尽くして、俺だけの知る蛍になればいい。
 そんな誰に向けているかもわからない独占欲。

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