第15章 情炎 あわひ 恋蛍✔

　諦めたように息をつくと、蛍の手がゆっくりと俺の胡坐の中心へ伸びた。
　隊服の黒い洋袴の前ボタンを外していけば、既に硬く主張する俺の熱に触れる。
　一瞬躊躇するも、丁寧な動作でいきり立つ俺自身を空気に晒した。

　小さく息を呑んで迷うような目が俺を見る。
　にっこりと笑って返せば、再び諦めた様子で魔羅に手を添えた。


「動かない、でね」

「うむ！」

「……んっ」


　ゆっくりと腰を下ろして、自身の中に俺の熱を飲み込ませていく。
　十二分に濡らしたお陰で、ほとんど抵抗もなく蛍は俺を受け入れた。
　ただし耐えるように蛍が姿勢を崩さないものだから、奥底までは潜ることができない。


「っ…蛍。もう少し力を抜いてくれ」

「そんなことしたら、全部入っちゃう…から」


　温かな蛍の膣内は蕩けそうになる程に心地良い。
　熱い息を零しながら、そうさせて欲しくて頼み込めば力なく頸を横に振られた。

　嫌がる様は幼気だが、今は淫らな蛍が見たい。
　腰を支えていた両手で、今度は抱き竦めるように腰に腕を回す。


「前に体を重ねた時も、俺の全てを受け入れてくれただろう？」

「あっそこはだめ…ッ」

「大丈夫だから。力を抜いてくれ」


　俺を飲み込む秘部のすぐ上。
　小さな突起を親指の腹で撫でれば、蛍の声色が変わる。
　ここも蛍の弱いところの一つだ。
　愛液で濡らした指で優しく刺激しながらそっと摘めば、震える蛍の股が力無く落ちてきた。


「は、あッあ…ッ」


　支えの無い体は、無防備に俺の膝の上に座り込む。
　同時に蛍の中を魔羅で深く貫いて、甘い快感に浸った。


「そら、痛くない。大丈夫だろう？」

「っで、も…深…」

「そのうちに馴染む。問題ない」


　他人と比べたことなどない為に、俺の魔羅の大きさが比準とどう違うかなど知らない。
　しかし小さくないことは確かだろう。

　熱を宿して膨らんだ欲望の塊を全て蛍に受け入れて貰えることは、まるで心の充足感に繋がるようだった。
　縋り付いてくる蛍の背をあやすように撫でて、落ち着くよう声をかける。