第5章 春に出会った
すると、またいきなり───
ザクッ
『っ゙!??』
鈍い音と共に、私の右の二の腕に
激痛が走った。
嘘っ…切られた…!??
いったいどこからっ…
???「イヒヒッ…」
『なっ…』
私の後ろからだった。
始めに出会った"人物"とは逆の方向に、
同じような"人物"が刀を構えていた。
そんなっ…二人も…!?
いくら小太刀を持っていたって、
さすがに"男二人"には勝てるわけがない。
力の差が激しすぎる。
『あ゙あ゙っ…!!』
と、そんなことを考えていると、今度は
左頬を切られた。
???「イアッヒャヒャヒャヒャッ!!!」
これはマズい…
逃げなきゃ…っ!!!
私は、反動で倒れた体を起こし、
一目散に駆け出した。