第1章 出来ないこと
沖田「…あちゃー。これは死んじゃってるね」
隊士が指差した方には、人が倒れていた。
…いや、死んでいた。
…女の人かな?
隊士「どうしますか?」
沖田「どうするって、処分するしかないでしょ。」
そう笑いながら、死んだ女に近づく。
その時。
沖田「…?」
その女から、ほのかに甘い香りがした。
知っている香りだった。
沖田「……ねぇ、」
隊士「はい?」
沖田「土方さん、呼んできてよ。」
隊士「え?どうしてですか──「いいから早く。呼んできて。」
声を低くして言うと、隊士は驚いて
屯所の方へと走っていった。
これは、僕が触っちゃいけない気がする。