第4章 最後の準備を
ガサッ…
沖田「っ、」
誰かが来た。
そう思って、腰にさげてある"天然理心流"の刀に
カチャリと手をかける。
沖田「…誰?」
斎藤「…驚かせたのなら、すまない。」
沖田「…一くん。」
木陰から現れたのは、悲しそうな顔をした
一くんだった。
斎藤「…皆と一緒に拝みたかったのだが…。少し野暮用ができてしまってな。」
沖田「ああ、そっか。…大変だね、三番組組長さんも。」
土方さんや近藤さんに信任されている一くんは、
一番組組長の僕よりも
仕事が多い。
斎藤「…今にも、目が開きそうだな…。」
千鶴ちゃんを優しく見下ろしながら、
一くんは呟いた。