第13章 それを返せ!
沖田「嫌ですってー。こんな面白いもの、返したくないですよ。ってあ!」
山崎「副長、どうぞ。」
土方「おぅ」
句集をヒラヒラと動かしていると、山崎くんに奪われてしまった。
山崎くんはそれを、当たり前のように
土方さんに渡す。
沖田「山崎くんの裏切り者ー」
山崎「副長から盗る沖田さんが悪いのです。」
マジメすぎるんだよねぇ、この人。
ほんと、困っちゃうよ。
『っ土方さん?』
土方「?おお、どうした雪村」
『え?あ、いえ……え、それって──っ』
土方「……っ」
冷や汗を浮かべながら、千鶴ちゃんは目を見開く。
そして、ゆっくりと、土方さんが持っている句集を指差した。
土方「いや、これは、だな…知人が書いた大事なモノで…」
沖田「嘘だよ千鶴ちゃん。その句集は土方さんが書いたものなんだよ。」
『え、ええっ!?』
土方「っ//総司いいいいっ!!!!!」
沖田「あはっ、また怒ったぁ♪」
誤魔化そうとした土方さんの言葉を遮り、
僕は千鶴ちゃんに、真実を告げた。
山崎「っアナタって人は…」
沖田「くくっ…」
山崎くんに呆れられながら、僕は必死に笑いをこらえた。