第13章 それを返せ!
沖田「さて、帰ろっか」
『はいっ』
食べた分の代金を払い、
私と沖田さんは屯所に向けて足を進めた。
屯所に着き、沖田さんは微笑みながら…
沖田「それじゃ、僕は部屋に行くねー。今日はありがと、千鶴ちゃん」
『はい、どういたしまして。』
と言って、ひらひらと手を振り、去っていった。
付き合わされただけだったけど…何だか楽しかったなぁ。
お団子もおいしかったし…
『ふふっ』
笑いながら、私は自分の部屋に戻ろうとした。
が…
土方「雪村」
『っ?…あ、土方さん…何ですか?』
少し険しい顔をした土方さんが、寝室から出てきた。
土方「…どこに行ってたんだ?」
『あ、すみません…沖田さんと少し、お散歩を…』
土方「そうか…」
…お、怒ってる、かな…?
はぁ…と溜め息を吐いた土方さんを見て、私は思った。
無断で出かけちゃったし…
土方「…まあ、いい。」
『え…っ?』
土方「それより、熱い茶が飲みたい。…いれてくれ。」
『あ、はいっ、わかりました』
腰に手を当て、寝室に入っていく
土方さんの背中が見えなくなってから、
私は台所に向かって走った。