第12章 私の最後(番外)
『はあっ、はあっ、』
だいぶ走って、息も切れてきた。
体力の限界が、すぐそこに迫る。
でも"奴ら"は、まったく息を切らしていない。
誰か、助けて───……っ
沖田「はぁ。何でこんな…寒い夜に巡察なんてめんどくさいもの…」
隊士「仕方ないですよ…毎日やっていることですから…」
え…
今確かに、沖田さんの声が微かながら、聞こえた。
いったい、どこから…っ?
『っ沖田さ…っ!?』
瞬間。
『ゔあ゙ぁっ…』
背中が、斜めに大きく斬られた。
立っていられなくて、私はその場に倒れ込む。
『っ…ぅ…』
沖田、さん…
声は微かに聞こえるのに、どこにも見当たらない。
背中の傷が痛い。
ズキズキする。
うつ伏せになりながら、私はふと
自分のわき腹のほうを見る。
…嗚呼…
私の大嫌いな赤色──…