第12章 私の最後(番外)
いつの日かは覚えていないけれど…
沖田さんが、屯所で言っていたことを思い出す。
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『羅刹?』
沖田「そ。山南さんが作った、失敗作だよ。」
『…しっぱい、さく…』
沖田「その羅刹ってね、けっこー厄介な連中でさぁ。…血に狂うんだよね。」
『え、血にっ?』
沖田「うん。…ほら、千鶴ちゃんも分かるだろうけど…あの日、キミを追いかけて来てたでしょ?」
『はい』
沖田「それは、血が欲しかったから。」
『っ』
沖田「だと思うんだよねー僕は。」
『そうなん、ですか…』
沖田「ほんと、危なかったよねーあの時は。もう少し遅れてたら、…もうキミはここに居ないんだもん…。」
お団子を食べながら、沖田さんは私に優しく微笑んだ。
『っ////』
沖田「あれ、何で赤くなるの?寒い?それとも暑いの?」
『っな、何でもないですっ!』
沖田「寒いんだったら、僕が温めてあげるよ?いろんな意味で♪」
『や、やめてくださいっ…/////』
顔を近づける沖田さんを両手で抑えて…
それを見た沖田さんはお腹をかかえて笑った。
沖田「あっはは!!冗談だよっ、なに本気にしてるの?」
『っ…////』
沖田「はぁー。…まあでも、気をつけてね?あの連中には。」
『はい…』
沖田「あんな狂った連中に、キミが殺されるなんて……考えたくないしね?」
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『はあっ…はあっ…』
"奴ら"は追ってくる。
止まれば、すぐに斬られる。
…死ぬ前に、沖田さんに会いたい…
新選組の皆さんに会いたいっ…
『沖田さんっ…!!』