第11章 おかえり…。
沖田「……それにしても、」
しばらく横になっていると、
沖田さんが何かを思い出したかのように言った。
沖田「…僕、よくここに来られたよね。何人もの人を殺してきた、極悪人なのに。」
『……違いますよ…沖田さんは、極悪人なんかじゃありません。』
私は、沖田さんの言葉を否定した。
沖田「どうしてそう思うの?」
『だって、沖田さんは、悪い人たちばかりを殺めてきたんでしょう?』
沖田「まあ…そうだね。」
『その悪い人たちが居なくなったおかげで、京の町の人たちは平穏に暮らせているんです。…だから、沖田さん…だけでなく、新選組の皆さんは、誰も極悪人なんかじゃないです。』
今まで起きてきたことを思い出しながら、
私は淡々と話す。
沖田「……」
『それに、沖田さんは優しいですし……ここに来て、正解だと思います。』
沖田「…ふーん、そっか。…千鶴ちゃんがそう言うなら、…そうなのかもね?」
『はいっ』
沖田さんは微笑みながら、
私の髪を優しく撫でてくれる…。
それが、とても心地よかった。
隣に、沖田さんがいる…。
そう、確信できるから。