第2章 想い
「おじちゃん、ヘンタイなの・・・?」
「そうよ。葵。こんなオッサンじゃなくて、真緒に買ってもらいなさい?真緒は葵のこと大好きだからなんでもしてくれるわよー?」
翔子は真緒をさりげなく虐めるのが趣味のようだ。
「じゃあ、真緒お兄ちゃん?お姫様ダッコしてー♡それと、チューして♡」
「良いよ。じゃあ、徹也の前で見せつけるようにしてあげる。」
真緒はスルッと持ち上げ葵と顔を見つめあう。
葵の唇に顔を近づけ触れるか触れないかだけのキスをじっくり行った。
葵の顔は赤面していた。
真緒はキスをすることに慣れていなかったせいなのか、赤面していたことが伺える。
翔子は心なしか喜んでいなかったかのように見えた。
徹也は茫然と立ち尽くすことしかできなかった。
オミちゃんの表情は間抜け面だった。
最初に口を開いたのは徹也だった。
「お前、キス初めてじゃないのか?そんなことで、失くしても良いのかよ・・・。」
「ん?なんのこと?キス?してないけど。俺、葵ちゃんが本気で好きになってないのにファーストキス奪うのは申し訳ないからね。それは、紳士としてのマナーでしょ。じゃあ、俺。そろそろ帰るわ。じゃあな。これからも葵ちゃんの王子様としていたいからね♪なんちゃって。」
「相変わらず、クソ童貞だよね。真緒って。いつ使うのかしらね〜。」
「ねえ、翔子お姉ちゃん、童貞ってなぁに?」
「童貞って言うのはね、徹也みたいにエッチなことを味わったことない人のことを言うんだよ〜♪可哀想でしょ〜♪」
「お兄ちゃん可哀想・・・(涙)」
「おい!クソビッチ!可愛い可愛い葵ちゃんに変なこと教え込むな!!傷心中なんだよ!こっちは!」
「ねえ、お兄ちゃん?ビッチってなぁに?」
「翔子みたいに、ブスのくせに目立ちたがるようなクソ女のことを言うんだよー♪わかった?」
「翔子お姉ちゃん、美人で優しくて可愛いもん!!お兄ちゃん嫌い!!クソ童貞!!」
「うぐっ・・・(涙)慰めてオミちゃん・・・(涙)」
「まあ、頑張れよ。クソ童貞w」
「酷いよー、オミちゃんまでーーーーーーー!!」
「あとでいっぱいお前のこと可愛がってやるよ。」
そう言ってオミちゃんは、家を出た。