アイドルだって恋しちゃいます!【アイナナ】R18禁
第1章 ライブの終わりに/八乙女楽
「あ、あのっ! 私っ……!!」
「シーッ」
凛の唇に指を立てて黙らせる。
この状況で俺が今から凛に伝える事は天の思惑通りになって面白くはねぇが……
まあ、せっかくあの天が準備してくれたステージだ。
無駄にするのも悪いしな。
ここは素直に便乗させてもらうか。
「凛」
「は、はい……(楽さん……凄い真剣な顔してる……)」
「俺はおまえが好きだ」
「へ?」
「なんだよ、その顔(目をまん丸くして可愛いな)
おまえも俺の事、好きだろ?」
「っ……」
あ?
なんで泣くんだ?
「凛?」
「う……」
「う?」
「嬉しいっ……です……」
ぎゅっと俺の首に腕を回して抱き付いてこられたら……俺、抑える自信ないぞ?
いいのかよ
此処が車の中だっていうのにキスしたら止まんねぇだろうな。
そんな事を頭の隅の方でぼんやりと考えながらも、俺の手はちゃっかりと凛の顎を持ち上げていた。
「……楽……さんっ……」
頬を紅潮させ、涙で潤んだ瞳で見つめられたら……
おまえ、わかってんのか?
無駄に俺を煽るなよ
我慢しようとした理性が切れちまうだろ。
キス以上はするなよ
自分に言い聞かせて、唇を重ねていく。