アイドルだって恋しちゃいます!【アイナナ】R18禁
第4章 ネコ耳/九条天
「ちゃんとボクを見てる?」
「……うん……見てるよ」
「そう……」
クスッ
凛ったら物凄く可愛い顔をしてる。
ボクを見てるって言ってるけど、瞳をうるうるとさせちゃってるし頬はピンク色に染まってるし。
本当はこんな恰好イヤだったんだ。
男のボクが、ネコ耳に首輪付けて肉球付きの手袋で
「にゃあ~」
なんて似合うわけないでしょ。
仕事なら幾らでもやるけどプライベートでこんな恰好するなんてバカでしょう?
(まあ、この恰好は楽と龍に無理やりやらされたんだけどね)
ボクがやるより凛がやった方が何十倍も可愛いに決まってる。
それでもネコ耳を付けたボクを嬉しそうに見る凛が可愛くて一応満足したんだけど。
でも凛ったら写メを撮りたかったんだよね?
キミの考えている事なんてすぐにわかる。
だけど写メはダメだよ。こんな恰好を形にして残されたら困る。
だからボクは凛に命じたんだ。
『ボクを見て』って
凛だけに残るならいいよ。
こんな恰好のボクでも、凛が喜んでくれるならね。
それに、ちょっと意地悪もしたくなったし。
凛は普段からボクの目を見ようとしない。それは凛が照れ屋だから。
だから、敢えてボクを見つめてもらうんだ。
いつもはボクを見つめてくれないから
「凛……ボクを見つめて」
「……うん」
「ボクを感じて……」
「……うん」
蕩けるような瞳でボクを見つめて
最後まで……いいね?