アイドルだって恋しちゃいます!【アイナナ】R18禁
第4章 ネコ耳/九条天
「やっと手が自由になった」
手袋を外した天は自分の手の感触を確かめるように握々を繰り返してから私をじーっと見つめてきた。
「な……なに?」
「このままでいいんだよね?」
「う……うん」
「この姿を見ていたい?」
「もちろん!……?」
なんだろう?
天が優しく聞いてきてくれているのに、イヤな予感がするのは……気のせいなのかな?
「おいで……ボクを堪能させてあげる」
優しく微笑んでくれているのに……
なんで怖いんだろう?
それでも私の足はネコ耳を付けた天に吸い寄せられるように近づいていってしまう。
「捕まえた」
「ぁ……」
天の腕の中に閉じ込められて胸がどきどきとして、息苦しくなる。
嬉しくて、恥ずかしくてどうしたらいいのかわかんない。
天の胸に顔を埋めていると
「ボクを見て……」
甘く囁く声と同時に私の顎をくいっと持ち上げられて、天と視線が交じりあう。
なんとなく恥ずかしくて視線をそらそうとすると
「ダメ………ちゃんとボクを見て」
「でもっ……」
「言ったでしょ?ボクを堪能させてあげるって」
「え……でもっ……」
く、唇が……
唇が接近してくるから……
「キスする時も……ボクを見て……」
……無理だよー
目を閉じちゃうよ