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彼女が□□した日。

第4章 風。


・・・ん?

ちょっと待てよ・・・。
生の声って事は・・・・・・。




長社「どうだい、そろそろ顔出しOKで活動してみるって言うのは」

イオ「えー・・・」

長社「私も聞いていたけど、リスナーさんやファンの人達の反応から言って顔出ししても申し分ない歌唱力だったと思うよ」

イオ「・・・そうは言ってもですね・・・。
ネットで生の声聞きたいって言われて、すぐに顔出しOKにしたらまた調子こいてるーとか調子乗ってんじゃねーよとか陰でコソコソ言われるのが目に見えてません?」

長社「おやおや、陰口をひとつも言われない芸能人や歌手は居ないよ?」

イオ「私の場合は陰口がメインじゃないですか。
さっきだって事務所ですれ違った人にコソコソ言われましたし」

アズサ「・・・違う・・・・・・」




社長室で社長とあー言えばこー言うを繰り返していると、不意にアズサくんが口を開いた。




アズサ「・・・さっきの人達・・・・・・イオさんの、悪口なんて・・・言ってない」

イオ「え?」

アズサ「・・・多分、ライブの感想・・・言いたかったんだと・・・思う。
・・・・・・握手・・・してもらいたい、とか・・・・・・サイン・・・欲しい・・・って・・・言ってた、から」

イオ「・・・アズサくん、意外と地獄耳?」

長社「ほら、聞いての通りだよ陽代くん。
あのラジオライブは、今までの君の不評を覆すくらいの反響があった。
その証拠に、この事務所内でも君を見る目が変わってきているようだしね」

アズサ「・・・俺・・・、イオさんが・・・どんな風に・・・・・・見られてるのか、とか・・・解らない・・・。
けど・・・・・・イオさんの歌は・・・好き。
・・・コウも・・・イオさんと、一緒に・・・ステージで歌いたい・・・・・・って、言ってたよ」

長社「ほう、無神くんが!
それは盛り上がり間違いないだろうね」

イオ「あー、確かにコウくんなら言いそう・・・」

長社「こうやってリスナーの声も聞けたんだ。やってみればいいんじゃあないかな」




アズサくんの援護射撃により、私の顔出しありでの活動は決定事項になってきた。

・・・いや、別に死ぬほど顔出ししたくなかったって訳じゃないけどさ。

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