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彼女が□□した日。

第3章 血。


side:ルキ


イオにそう言われたものの、人間特有の血の匂いがしない相手にどう吸えばいいのか正直解らない。

結局のところユーマ達の言っていた純粋な笑顔とやらも見ていない。


キッチンから俺の部屋に場所を変えたものの、俺は未だに吸血衝動が訪れなかった。




イオ「・・・・・・もしかして、血の匂いがしないから吸う気起きなかったり?」

ルキ「・・・ああ。
ユーマ達の話によれば、お前の純粋な笑顔を見た途端に吸いたくなったらしいが」

イオ「え、マジでか。
どうしよ、今全然笑える気がしない。
あーでもこのままじゃルキさん倒れちゃうかもだし・・・」

ルキ「・・・・・・今更だが、お前は本当にヴァンパイアと言う存在が怖くないんだな」

イオ「えっ、凄い今更だね。
もし怖かったらわざわざルキさん達に会いに来ないよ」

ルキ「確かにそうだが・・・。
現時点ではまだにしろ、これから先俺や・・・コウ達に吸い殺されてしまう事は考えないのか?」

イオ「んー、特には考えないかな。
私は人間でルキさん達ヴァンパイアはその人間の血を吸って生きてるんでしょ?
自分が長生きしたいからって辛い思いしてる相手を放っとくとか、私は嫌だし」

ルキ「・・・辛い思いをしていないのに、吸血を求められて吸い殺されてもか?」

イオ「その時はその時々の状況で抵抗するかなー。
まあ、力の差ってのがあるから難しいけどね」




・・・ああ。
なるほど、な。

多分コイツは・・・。




ルキ「なら、この先見知らぬヴァンパイアが苦しんでいたならお前はそれでも自分の血を吸わせるのか?」

イオ「え?」

ルキ「そう言う事だろう。
お前はそうやって見知らぬヴァンパイアに血を吸われて、吸い殺されても自分の死を受け入れる。・・・違うか?」

イオ「・・・自己犠牲的で、偽善者みたいだって思う?」




俺の言いたい事を理解したのか、イオが俺の目を見てそう答えた。

ああ。
そうだ。


結局はコイツも、今まで寄越されてきた女と同じ。
俺の為に死んでくれと言われてそれを容易く了承し、惨めに死んでいく・・・それと、同じじゃないか。

そう言う考えの奴は、どうせすぐに・・・。
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