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彼女が□□した日。

第3章 血。


イオ「なんで?」

ルキ「・・・またそれか。
嫌がる事をされて、嫌いになるのは当たり前だろう」

イオ「そうなの?」

ルキ「・・・・・・お前の常識はやはり普通よりズレているようだな。
好いてもいない男に雪辱されても、お前は俺を受け入れるとでも言うのか?」

イオ「んー・・・だって、ルキさんも私の事好いてないじゃん」

ルキ「・・・、・・・・・・・・・なに?」




思った事をそのまま口にすれば、ルキさんは怪訝な表情を浮かべた。




イオ「まあ、好かれるような言動も行動もしてないから当然だと思うけど・・・。
お互いになんとも思ってないのに、なんで嫌いにならなきゃなんないの?」

ルキ「・・・・・・この程度では、嫌いになる理由にはならないと言いたいのか?」

イオ「ルキさんはどうなの?」




思っていたような態度じゃないからなのか、私の返答にルキさんはちょっとだけ声のトーンを下げた。

イラついてるんじゃないと思う。
ただ、ズレてる私の思考が理解出来ないから。


私がそう聞けば、「・・・なにがだ」と聞き返された。




イオ「これって、誰かに言われたからやってるんでしょ?」

ルキ「・・・そうだが」

イオ「ルキさんは、誰かに言われてるからとかじゃなくて・・・本心から私に嫌われたいの?」

ルキ「・・・・・・」

イオ「なんて言われたのか知らないけど、ルキさんが本当にそうしたいのならそうしなよ。
私は別にルキさんの事嫌いになったりなんてしないから」

ルキ「・・・・・・・・・。
・・・そうか・・・」




ちょっとだけ沈黙して、ルキさんは目を伏せた。

その数秒後、「なら、いい」とだけ呟いて私から手を離して向かい側の座席に座った。
ルキさんがいいって言うなら私も気にしない方がいいよね。



そしてまた空気を読んだのか、リムジンはまた走り出す。

小雨は、もうすっかり上がってた。
うーん、やっぱり最近雨多いなあ。


そのまま特に言葉を交わすことも無く、無神邸にリムジンは到着した。

運転手さんの使い魔さんに一応「ありがとうございまーす」と声をかけてからリムジンを降りて、私達は戻ってきた無神邸のキッチンへと向かった。
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