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彼女が□□した日。

第3章 血。


イオ「・・・ルキさん?」

ルキ「・・・なんとも思っていない、と言ったな。
ならば今、俺がお前にキスをしたり無理矢理犯したとしても何も思わないのか?」




暗くなったのはすぐ目の前にルキさんが立ったからみたいだ。

そんな空気を読んでくれたのかなんなのか、車はいつの間にか停車していた。
顎に手を当てられて、抑揚の無い声でそう聞かれる。


通り雨だったのか、ついさっきまで降っていた雨はパラパラと小雨程度になってきてる。


少しずつ近づけてくるルキさんのいつもと変わらない表情に、私はいつもの笑顔で返した。




イオ「やっぱなんか違うや」

ルキ「・・・なに?」

イオ「ルキさん、私に嫌われようとしてるでしょ」

ルキ「・・・・・・何故そう思う」

イオ「私、これでも一応職業上はシンガーソングライターなんだよね。業界じゃあんまり好印象を持たれてないけど。
そう言う世界で過ごしてると、否が応でも自分に対する相手の対応って言うか反応が解ってきちゃうんだよね」

ルキ「今の俺は、お前を嫌う奴らと同等の対応だと言いたいのか?」

イオ「同じとまではいかないけどね。
なんて言うか、それって誰かに私の事を見張れって言われてるからなのかなーって思ってたからさ」

ルキ「・・・気づいていたのか?」

イオ「無神邸でコウくんに血を吸われてから、私ん家でもチラホラ飛んでたからね。コウモリ。
なるべく見つかんないように飛んでたみたいだけど・・・さすがに解るよあれは」

ルキ「・・・・・・思っていたよりも洞察力はあるんだな」

イオ「えへへー、まあね。
伊達に嫌われ慣れてないっすから」

ルキ「ふん・・・。
・・・ああ、お前の言う通りだ。
俺はある御方に言われお前に嫌われるだろう行為をしている」




お互いの唇がくっつくまで5センチも無いかな。

やっぱ私は誰かに監視されてたのか。
なるほど、やっぱそうだったか。
ある御方って誰なんだろ。見ず知らずの人に監視されるのはさすがに気になるなー。



ここ1週間くらいのコウモリの事に納得していると、ルキさんに「それでもお前は、そんな俺を嫌おうともせずに受け入れると言うのか?」と続けられた。
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