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彼女が□□した日。

第3章 血。


路地裏から出たら、そこにはついさっき会った運転手さんが。道路にはリムジン。
あれ・・・もう屋敷に行って材料を冷蔵して戻って、あれっ?と私が頭上にクエスチョンマークを浮かべている間にリムジンに普通に招かれた。

招かれたって言ってもそんなホイホイ何回も乗ってる訳じゃないから、一応「お邪魔しまーす」と言ってからリムジンに乗り込む。


ルキさんが座ってる向かいの座席に座ると、間もなくして発車した。



わー、無神家に戻ったらルキさんと料理だー。
そう考えるとなんだか楽しみになってくる。

楽しみだな、と思いながら窓の外を眺めた。




イオ「・・・?
なんだろ、これ・・・」

ルキ「・・・どうした」




車窓の外が雨なせいで鏡みたいに車内が映る。
自分の姿も映ってる訳で。

でもその自分の身体にちょっと違和感。

首元に、ちょっぴり赤い点。




イオ「んー・・・なんか赤くなってるなーって思って」

ルキ「・・・・・・」

イオ「さっきまで無かったのに・・・なんだろ」

ルキ「・・・本気で言っているのか?」

イオ「うん?」




買い物してる間に虫にでも刺されたかなーとか思ってたら、ルキさんが声のトーンを変えずに言ってきた。

あれ、なんか気に障っちゃった・・・?




ルキ「その赤い跡の意味を、本当に理解していない訳ではないだろう」

イオ「これの意味・・・?
えっ、あー。
もしかして俗に言うキスマーク?」




赤い跡の意味、って聞いてピンと来た。

虫さされとかだったら何かしら痺れたり痒(かゆ)くなったりするよね。


あーなるほど。
て事はこの赤い跡もといキスマークはついさっき逆巻くんに付けられた訳か。
納得納得。

私がそう自己完結していると、キスマークの意味を理解していた事が意外だったらしくルキさんは目線を手元の本から座っている私の方に向けてきた。




ルキ「・・・知っていたか。
好いてもいない男に付けられたんだ、さすがに嫌気も差すだろう」

イオ「んー、別に何とも。
好かれてるとか好かれてないとか言われても、私自身がなんとも思ってないし」




思ってる事をそのまま声に出せば、ふと視界が暗くなった。
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