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彼女が□□した日。

第1章 虹。


撮影所から歩いて、約2時間。


都会の喧騒から外れた郊外に、我が家はある。



滅多に人が寄り付かない。
それでもちゃんと住所には登録されてるから、極々たまに郵便物は届く訳で。

赤い洋風の郵便受けをカパリと開ければ、滅多にこない郵便物が入っていた。




イオ「おーう?
・・・・・・ふむふむ、ふーむ」




押し印は見覚えのある家紋。

赤い蝋は仕事の手紙。
青い蝋は・・・─。




イオ「・・・あいあい、お仕事頑張ってくださーい。と」




同居人からの手紙。

基本的にその2種類しか届かない。


いつも通りの、丁寧な文字。
すこしくらい崩して書いても気にしないのに、彼は絶対にそうしない。
几帳面。
真面目。
仏頂面。
でも、優しい。



私を拾ってくれた、優しい人。
何の仕事をしてるのかとか、暇な時間は何をしてるのかとか。ほぼほぼ何にも知らないけど、それでも私の恩人。

もし仮に人を容易く殺すような趣味があったとしても、それはそれで受け入れるつもりだ。


で。
その同居人からの久々の手紙。
要約すれば、仕事とか用事があって一ヶ月帰れないらしい。



手紙を封筒に仕舞って、玄関を開ける。

外はまだまだ雨模様。
と言うか本降りの真っ最中みたいだ。


時刻は夜の10時。



いつもならラジオとかテレビつけながらご飯食べる。そのついでに新曲を頭の中で考える。

でも、なんでか今日はいい曲が思い浮かばない。


いつも聞いてるニッコニコ動画の生配信ラジオをつけながらご飯を食べた。
ちなみに晩ご飯のメニューは梅干しと白米、味噌汁。




イオ「無神クン、大丈夫かなー」




モグモグと白米を咀嚼(そしゃく)しながら、現在進行形で生配信されてる無神クンの声に耳を傾ける。


やっぱり、どこか違和感。
どこがおかしいのかと聞かれれば、具体的に答えにくいんだけれども。
なんとなく。なんとなーく。違和感。

さっきも喋ってたけど、私の気のせいじゃなければ無神クンは最近しっかり休めてない。多分。


・・・ぶっ倒れないといいけど。
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