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彼女が□□した日。

第3章 血。


イオ「ありゃ、降ってきた」

ルキ「・・・雨か・・・」

イオ「最近多いねー。
洗濯物とかずっと部屋干しだよ」

ルキ「・・・自分の心配はしないのか?」

イオ「ん?」

ルキ「服装じゃなく、だ。
人間は雨に当たってしまえばすぐに風邪をこじらせるだろう」

イオ「あー、別に私風邪あんまりひかないし。
大丈夫だよ」

ルキ「そうか・・・」

イオ「うん。
・・・そう言えば、確認したい事って?」




パラパラと降り始めた雨の中でそう聞けば、ルキさんはジ・・・と私と目を合わせてきた。

?・・・なんだろ。
と、思ってたら。


ぐいっ


イオ「、!」

ルキ「・・・・・・」




ルキさんは何も言わずに私の腕を掴むと、私達が今居る大通りのすぐそこの路地に入り込んだ。


そのまま数歩進んで雨のあんまり当たらない所で立ち止まった。




イオ「えーと、ルキさん?」

ルキ「・・・普通ならば、こう至近距離に居れば嫌が応にも相手の匂いは解るはずだ。
それが俺達鼻の効くヴァンパイアなら尚更、な」

イオ「・・・そーなの?」

ルキ「ああ。
・・・・・・単刀直入に聞く。
陽代イオ。何故お前は、血の匂いがしない?」

イオ「えー・・・なんでって聞かれても・・・」

ルキ「全く血の匂いがしない人間は居るはずが無い。
・・・そうでなくとも、短期間で弟達が容易く心を開くなど・・・お前は、一体何者だ?」




あらま。
かなり怪しまれてたのか。

ルキさんは血の匂いがしないいかにも怪しい人間・・・いや、私が本当に人間なのかそれとも他の人外な存在なのかをハッキリさせたいみたいだ。
うーん、まあ自分の想定外な存在がひょっこり出てきたらそりゃ怪しむよね。


通りで必要以上に話しかけられない訳だよ。
つーか私、血の匂いしないの?
えー・・・逆に聞きたいわー。


何者だって聞いてくるルキさんにどう答えるか考えを巡らせた。
心なしか、やっぱりルキさん・・・イラついてる?
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