第3章 血。
ルキ「経緯は違えど、俺達兄弟は元々人間だ」
イオ「あ、そうだったの?
ルキさんがそう言うんだからそうなんだろうねー。
経緯は違うくても、そう言う意味だとルキさん達と同じになるねー」
ルキ「・・・怖くないのか?」
イオ「べーつにー?
今ここに存在してる私の人生なんだし、ヴァンパイアになろうと人外になろうと受け入れるよ」
ルキ「・・・受け入れる、か。
その未来が絶望だとしてもか?」
イオ「んー、まあ抗うだけ抗うよ。
それはそれで私が選んだんだし。
こう見えて好き嫌い得意苦手は区別してるしねー」
ルキ「・・・・・・そうか」
イオ「だからさー、私の事ならそんなに気にしないでいいよ。
まあさすがにいつでも吸っていいよって訳にはいかないから、ヤバくなってきたら言って?」
ルキ「気にしないでいい、か。
・・・お前がそこまで言うのならば、辛くなってきたら言おう」
イオ「ん、そうして。
・・・おっ、そろそろ街に出るみたいだよ」
やっぱ辛かったみたい。
まあでも、こうして言えたしコウくんみたいに倒れちゃうって事は無いよね。きっと。
それからあれやこれやと喋ってる間に街に近づいてきた。
平日の昼前って事もあってか人通りは普通だ。
ルキ「店はこっちだ、着いて来い」
イオ「はーい」
大通りをルキさんと並んで歩く。
ちらりと横を見れば、ルキさんは大通りをスタスタ歩いてる。
・・・うーん、絵になってるなあ。
ルキさんもかなりのイケメンの部類に入るよね。
コウくんはどっちかって言えば小悪魔っぽい美形だし。
つーか、それを言ったらユーマくんもアズサくんもイケメンか。
うわーこうして考えると無神兄弟ってイケメン勢だな。
ルキ「・・・・・・急に黙ったかと思えば、考え事か?」
イオ「あ。
ごめん、改めてルキさん達の格好良さを実感してた」
ルキ「・・・達、か。
価値観がズレているお前でもそう言う所は人間らしいな」
イオ「えへへー、そう?」
てっきり褒められたと思って照れたら、また溜め息をつかれた。
そんなこんなで、私達は目的の店に到着した。