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彼女が□□した日。

第3章 血。


イオ「街までそんなに距離あるの?」

ルキ「正確な時間は測った事が無いからな・・・いつもなら車で10分だと思うが」

イオ「へー、じゃあ徒歩で大体30分くらいかな。
せっかくなんだしさ、歩いて行かない?」

ルキ「・・・・・・何がせっかくなんだ?」

イオ「パッと行ってサッと帰っちゃうのつまんないじゃん。
なんだかんだでルキさんと喋った時無いしさー」

ルキ「・・・・・・・・・」




コウくんとは事務所で休憩中とかにめちゃんこ喋る。
ユーマくんとは吸血されてからは割と喋れるようになった。
アズサくんとも、会った時に何気に喋ってたりする。

でもルキさんだけはなんでか知らないけどエンカウント率が少ない。
もしかして嫌われてんのかなーとも思ったけど、嫌われてるならわざわざ料理を教えてくれる訳ないし。



これを機にルキさんってどんな人なのか知ろうと思って、私がそう言うと返ってきたのは沈黙だった。




イオ「あれ、もしかして何事も合理的かつスマートにやるタイプだった?」

ルキ「・・・・・・ひとつ聞くが、それは俺がヴァンパイアだと知った上での提案か?」

イオ「え?
そうだけど、何か問題あるの?」

ルキ「・・・問題だらけな気もするが」

イオ「あ、やっぱりコウくんに言われて渋々私に付き合ってる感じだったり?
それならそれではっきり言って良いからね」

ルキ「・・・・・・・・・はあ・・・」

イオ「あれ、ここで溜め息・・・?」




なんか知らないけど溜め息つかれた。
これは呆れた感じの溜め息だ。

て事は、私は呆れられたのか。


チラ、と壁にある時計に目をやってからルキさんはテーブルに置きっぱなしだった本を手に取って立ち上がった。




ルキ「行くぞ」

イオ「お?」

ルキ「ただし、お前が俺の話し相手にならないようだったらすぐに使い魔を呼ぶからそのつもりで居ろ」

イオ「はーい」




どうやら嫌われてはいないようだ。

スタスタと玄関に向かうルキさんを追うように、私もソファーから立ち上がった。
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