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彼女が□□した日。

第1章 虹。



無神クンが隣にすとんと座った。

あ、そう言えばここバーカウンターみたいな作りだったっけ。


相変わらず美形だなあ。

ファッション雑誌の撮影だったのかな、無神クンは今流行りの服装。


一方の私は、白パーカーに青のオーバーオール。牧場とかにこう言う格好の人、居るよね。


のそりと身体を起こして、ぼーっと外を眺めた。




コウ「ヒメ猫ちゃんは大丈夫?帰り。
ここからだと結構距離あるよね・・・乗せてこっか?」

イオ「気持ちだけ受け取っとくー」

コウ「気持ちだけ、って・・・さすがにこの天気の中女の子を1人で行かせらんないでしょ」

イオ「折り畳み傘持ってるよー。
それに、水も滴るいい女の子〜」

コウ「それを言うなら水も滴るイイ男だから」

イオ「だいじょぶ」

コウ「大丈夫じゃないでしょ?」

イオ「風邪ひいてもすぐ治るよー」

コウ「いや、引いてからじゃ遅いって」

イオ「無神クン、まだ終わってないんでしょ。仕事」

コウ「え?
あー、別にこの後のは明日やれば間に合う・・・・・・ってヒメ猫ちゃん、?」




あのマネージャーの事だ、無神クンの頼みじゃなきゃ私なんかに関わりたくない。私も関わりたくないけど。

無神クンの事だから、今日の残りの仕事は明日に回すとでも思ってたんだろうなー。


そう言われる前に、私はてるてる坊主を戻してトートバッグの中からケースに入ったCDを渡した。




イオ「それ、あげる」

コウ「え・・・。
もしかして、新曲?」

イオ「んーん、無神クン最近あんまり休めないって言ってたっしょ。
いわゆる子守唄みたいな。家に帰ったら聞いてみて」

コウ「子守唄って・・・ヒメ猫ちゃん、俺の事バカにしてない?」

イオ「してないしてない。
じゃ、またねー」




ぴょん、と座ってた椅子から降りる。

無神クンが私を呼び止めようとした時、ちょうどスタッフさんがやって来て無神クンを呼んだ。


ナイスタイミング、スタッフさん。


折り畳み傘を取り出して、私は無神クンに手を振った。
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