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彼女が□□した日。

第1章 虹。


イオ「ん?
、っわ・・・えっいつの間に・・・」

「・・・・・・コウ。
この女が、そうなのか?」

コウ「っ・・・ルキくん・・・」




コウくんの部屋から出て行こうとドアノブに手をかけた時、私のすぐ隣に誰かが居た。
うん、びっくりした。


文字通り音も無く姿を現したものだから、ねえ。

黒髪でグレーの瞳のその人はコウくんにそう聞いた後でスッと私の方を見てきた。


・・・あれ、なんだろ。
なんか怖いぞ?




イオ「・・・えーと?
コウくんの、お兄さん・・・?」

ルキ「無神ルキだ。
弟がずいぶんと世話になっている様だな」

イオ「あ、陽代イオです。
世話、ってほどでも無いですけど・・・」

ルキ「・・・コウ。
まだ吸いたくないのか?」

コウ「っルキくん!」

ルキ「吸わずに辛い思いをするのはお前自身だぞ」

コウ「やめて、ルキくん・・・」




なんだろう。
吸うとか日常会話で聞き慣れない単語が出てきてるぞ。

・・・うーん、もしかして私は邪魔なのかな。
ならさっさと帰った方が・・・と思った瞬間。




ルキ「イオ、と言ったな」

イオ「え?あ、はい」

ルキ「お前は、俺達兄弟が全員ヴァンパイアだと言えばどうする?」

コウ「やめてよ!!」




やけに静かなコウくんの部屋。

初めてコウくんが叫んでるの聞いたなー、とか思いながら今しがたルキって名乗った人からされた質問を頭の中で考えた。


ヴァンパイア?
ばんぱいあ?
・・・吸血鬼??


吸血鬼って、あれだよね。
キバがあって人の血を吸って生きてる、なんか格好いいあれだよね?

そのヴァンパイアが、コウくん達?
て事はなに、コウくんって血を吸って生きてんの?


・・・・・・あ。
と、言う事は・・・・・・コウくんが体調不良なのって・・・。


ルキさんから視線をコウくんへと向けた瞬間、コウくんの肩がびくりと跳ねたのが解った。
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