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彼女が□□した日。

第1章 虹。


イオ「・・・わー、やっぱ綺麗」

コウ「・・・、・・・っ」

イオ「どこが気味悪いの?
綺麗なだけじゃん」




目の力を、使ってるのに。
こんなに近くに居て、力を使ってるのに。

なんで。

・・・なんで・・・っ。



綺麗。


ヒメ猫ちゃんが言ってる言葉と、同じ思考しか見えない。

じゃあ、これが真実?
本当にヒメ猫ちゃんは・・・オレの事を・・・オレの目を、綺麗って心の底から思ってくれてるの?



すぅ・・・


イオ「ありゃ、戻っちゃった」

コウ「っ・・・・・・」

イオ「うん、やっぱ綺麗じゃん」

コウ「・・・なんか、ごめん」

イオ「んー?」

コウ「ヒメ猫ちゃんも、他の奴らと同じだと思っちゃったから」

イオ「・・・んー、なんかよく解んないけどそんな気にしないでよ。謝られるような事されてないし」




へら、とまたいつもの掴みどころの無い微笑みを向けられた。


やっぱヒメ猫ちゃんて変わってる。




コウ「・・・あのさ、ヒメ猫ちゃん」

イオ「ん?」

コウ「すっごく今更なんだけど・・・その、ね?」

イオ「・・・あ、ごっめーん。
重いよね」

コウ「いやその逆で軽いんだけど、顔が近くて」

イオ「おうふ・・・。
失礼しました」




うん、本当に軽かった。
女の子ってもっと重いイメージあったけど、ヒメ猫ちゃんが軽いだけなのかな?

ひょこっとヒメ猫ちゃんがオレの上からどいて、ベッドから降りる。




イオ「さーて、コウくん元気そうだし・・・私はこの辺で帰るよ」

コウ「え、もう帰っちゃうの?」

イオ「病人は安静にしとかないとねー。
てか、真面目な話でちゃんと食べなよ?
コウくんは見た目よか食べるんだから尚更さ」

コウ「、解ってるよ・・・」

イオ「んじゃ、また事務所でねー」




手をひらひらさせて、ヒメ猫ちゃんはオレの方を見ながらドアに歩いてった。

転ばないとは思うけど、なんか危ないよそれ・・・。


すっかり病人扱いなオレは、それをベッドの上に座って眺める。


ヒメ猫ちゃんがドアノブに手をかけた時、そのヒメ猫ちゃんのすぐ後ろにルキくんが居た。
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