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彼女が□□した日。

第1章 虹。


コウくんのお見舞いをし始めて、1時間くらい経った。


心なしか顔色が悪そうだったけど、少しだけ快復してくれたみたい。私の見た限りでは。

コウくんはベッドに座りながら、私はベッドの端っこに腰掛けるようにして喋ってる。




イオ「そんでね、その店員さんてば機械音痴らしくてさー。
バーコードを読み取ろうとしても何回もエラーしちゃってたんだよ?」

コウ「へえー、今時居るんだねそう言うの・・・」

イオ「最終的にはレジに手動で入力してたよ。
まあそれも何回かミスってた・・・・・・・・・、」

コウ「あははっ、なにそれ。本当に〜?
・・・・・・ヒメ猫ちゃん?」




私がついこの間立ち寄ったCDショップで会った店員さんがやらかした事を話していた時だった。

コウくんが乗ってるベッドの向こうの窓。
その窓の外。


最近めっきり見なくなったものが見えた。


急にトークをストップした私を不思議に思ったコウくんが私の名前を呼ぶけど、一方の私はいてもたっても居られずに座ってたベッドの端から身を乗り出した。




イオ「あ!」

コウ「、ちょ・・・っ、ヒメ猫ちゃんっ?」

イオ「コウくんコウくん、外!外!」

コウ「いや外とかじゃなくて顔近い・・・っ!」

イオ「ん?
あーごめん。でも外!!」

コウ「そ、外・・・?
・・・・・・、あ・・・」




私が身を乗り出した事で、必然的にコウくんと私の顔の距離がぐっと近くなる。あらやだ、私ってば大胆。

でもそんなのはお構い無しに、私はコウくんに外を見るように促した。



窓の外。
キラキラした青空。
コウくんと喋ってて気づかなかったけど雨でも降ってたのか、窓には水滴がいくつもついてる。
昨日も雨降ってたけど降り足りなかったのかな。
雨が降れば太陽が出て、その光の反射の条件が揃えば出てくる。
7色の気象現象。




イオ「虹!
綺麗だよ!」




数ヶ月振りに目にした虹に、柄にもなくウキウキした。
自然と笑顔になって、いつもより近くに居るコウくんにそう言った。


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